悩むことは色々あります。小中学校を問題なく卒業し、高校生活が始まると、大人になった自分が、どこへ進むべきなのか、将来の自分について真剣に考えるようになる生徒が増えてきます。
学校教育では、第一に次の学校へ問題なく進学することが、最も重要な目的とされますが、高校卒業後の道は、その後の子供の将来にダイレクトに繋がるため、進路相談についても、それまでとは異なった雰囲気となるのです。
大学全入時代と言われる今の世の中、高校卒業後は、みんなが行くから大学に、などと考える子供も多いでしょう。
親御さんも、それに沿って教育方針を固めるケースが多くあります。しかし、子供が将来なりたいものが明確に決まっているならば、大学に行くという選択肢は、むしろ回り道になってしまう可能性があります。
例えば、美容師の仕事をしたいと言う子供に、何でも良いからとりあえず大学に進学しなさい、というのは無粋なものです。大学での教育が、必ずしも将来に結びつくものではない以上、数年間の回り道は、子供の意欲を下げこそすれ、やる気を出させる根拠はありません。
両親としては、大学まで行かせる覚悟も環境もあるのならば、できれば高い学歴を持って欲しいと思うものです。だけど、それは親のわがままであり、子供の意思を除外しているだけです。
ちゃんとした目的を持っていて、それを学習できるというのなら、高校を卒業した先の進路として考えるべきは、大学というよりも専門学校なのです。目標がはっきりしない子供が、漠然と入学したとしても、専門学校での教育の恩恵を受けることは不可能です。
ところが、その職業を目指したいという、揺るぎない意志があれば、専門学校で、しっかりとした技術と知識を習得することは、高い学歴を持つよりもはるかに、子供の人生を豊かにすることができます。子
供の教育は難しく、子供の選択と親の望む進路とは、必ずしも一致しません。しかし、そこで子どもの意志と意見を見極め、もっと充実した未来へと導くことが、親の役目と言えるでしょう。